マニュアル車(MT車)は、クルマとの一体感をより強く感じられるのが最大の魅力です。
特にロードスターのようなスポーツモデルでは、シフトストロークが短く、手首のわずかな動きでも正確に操作できるよう設計されています。
しかし、多くのドライバーが意外と意識していないのが「シフトの握り方」。
実はこの“握り方”によって、変速のスムーズさ・ギアの入りやすさ・疲労感が大きく変わります。
この記事では、マニュアル車の代表的なシフトの握り方5種類を紹介し、それぞれのメリット・デメリット、そしておすすめの使い分け方を解説します。
「正しい握り方を知りたい」「疲れにくい持ち方が知りたい」そんな方は、ぜひ最後までご覧ください。
動画でも解説しているので、ぜひご覧になってください。
① 鷲掴み(わしづかみ)|マニュアル車で多い基本の握り方

上からシフトノブの頭を押さえつけるように握る方法です。
多くの人が自然とこの握り方をしていますが、実はデメリットも多め。
- 手首での繊細な操作が難しく、腕全体を使う必要がある
- 力が入りすぎて、スムーズなシフト操作を損ねる
- ロードスターのような軽快なシフトフィールを活かせない
「力が入りやすい=良い」とは限りません。
この握り方だと、せっかくの小気味よい操作感が失われてしまいます。
② 横掴み(よこづかみ)

「人差し指・中指・薬指」の3本を中心に、ノブを横から軽く包み込むように握る方法。
手首のスナップを使って、軽快にシフト操作できます。
- 手首の動きを活かせるので、スムーズで気持ち良い操作感
- 力を入れずに変速できる
- 指先の繊細なコントロールがしやすい
ただし、ロードスターのようにノブが丸い形状だと、1速や2速に入れるときに指が滑りやすい点には注意が必要です。
慣れれば最も自然でおすすめの握り方です。
③ 手のひら掴み(てのひらづかみ)

昔のMT車でよく見られた「格好いいシフト操作」がこれ。
腕をくるっと回し、小指が上を向くようにして手のひらでノブを包みます。
- シフトダウン時にスムーズ
- ロードスターのように1速・2速が渋い車で有効
- 操作感にリズムが出る
ただし、4~6速へのシフトアップはやりにくいため、状況によって横掴みと使い分けるのがおすすめです。
④ ゲーセン握り

ゲームセンターのレーシング筐体のように、手のひらを上にしてノブを下から掬い上げるように握るスタイル。
- ノブの形が丸い車で可能
- 力は入れやすいが、繊細さに欠ける
- 手首の返しが使えないため、操作がぎこちなくなる
- 長時間の運転では指の間が痛くなる
ネタとしては面白いですが、実際の運転には不向きです。
⑤ 純正推奨握り|メーカーが推奨するシフトノブの持ち方

意外と知られていませんが、車の取扱説明書に「正しい握り方」が書かれている場合があります。
ロードスターの純正推奨握りでは、手のひら全体で包み込まず、軽く添えるようにして操作します。
- 力を抜いた状態でスムーズに変速できる
- ギアやシンクロに負担をかけにくい
- 長時間の運転でも疲れにくい
実際に試してみると、確かに自然で操作しやすいと感じるはずです。
まとめ:自分に合った握り方を見つけよう
| 握り方 | 特徴 | おすすめ度 | おすすめシーン |
|---|---|---|---|
| ① 鷲掴み(わしづかみ) | 力が入りやすく操作が重くなる | ★★☆☆☆ | 初心者がとりあえず運転するとき |
| ② 横掴み(よこづかみ) | 手首の動きでスムーズに操作できる | ★★★★★ | 街乗り・スポーツ走行どちらにも◎ |
| ③ 手のひら掴み | リズムよく変速できるが慣れが必要 | ★★★★☆ | シフトダウン時・スポーツ走行 |
| ④ ゲーセン握り | 力は入りやすいが繊細さに欠ける | ★☆☆☆☆ | ネタ・ジョーク向け |
| ⑤ 純正推奨握り(メーカー公式) | 力を抜いて自然に変速できる | ★★★★★ | 長時間ドライブ・街乗り |
今回は5種類の握り方を試してみました。
シフトノブの形状やクルマの特性によって最適な握り方は異なりますが、力を入れずに、手首の動きでスッと操作できることが理想です。
筆者のおすすめは「手のひら掴み」+「横掴み」のハイブリッド。
場面によって使い分けることで、ロードスター本来の軽快なシフトフィールを最大限に楽しめます。
いろいろ試して、自分だけの“気持ちいい握り方”を見つけてみてください。

